Que tout l'enfer fuie au son de notre voix...
今回も、滋賀男声合唱団は日本屈指のオペラハウスであるびわ湖ホールにて演奏会を開催する恵みを得ました。このホールの世界トップレベルの舞台装置を享受するために、これまで私たちはミュージカル・ファンタジーを制作発表してまいりました。そして今回は『ライオン・キング』。ディズニーが制作した 1994 年のアニメ映画を原作とし、1997 年にブロードウェイで初演されたミュージカルです。
このミュージカルの音楽の特徴は、エルトン・ジョンとティム・ライスによる洗練された名曲に加えて、南アフリカのアーティスト、レボ・M が作曲した「Nantsʼ Ingonyama」などのズールー語のアフリカン伝統音楽との融合にあるといえます。「壮大なアフリカの灼熱の大地と自然」「そこに生きる命の熱いエネルギー」というテーマを表すために、私たちは親交のある関西を代表する打楽器奏者宮本妥子さんと後藤ゆり子さんの協演をお願いし、ご快諾を得ることができたことはうれしいことです。
ズールー語に悩まされながらも果敢に挑む滋賀男声合唱団版コーラス・ファンタジー「ライオン・キング」をお楽しみください。そして舞台で演じるメンバーの姿を目に焼き付けてください。お父さん、お爺ちゃんから発信される「親から子へと受け継がれる生命の循環」「家族の絆がもたらす運命と責任」といったメッセージをお聞き取りいただければ幸いです。
Nantsʼ Ingonyama
打楽器アンサンブルによるアフリカの夜明けの描写音楽に続いて、アフリカの神秘的な力を感じさせるコーラスが物語の始まりを告げます。みんながプライド・ロックに集まり、国王ムファサの王子シンバの誕生を祝います。「Nantsʼ Ingonyama」はズールー語で「ここにライオンがいる」という意味。ズールー文化においてライオンは力、権威、尊厳の象徴。サバンナの王であるライオンの王子誕生を高らかに宣言する男声ソリストお二人のズールー語によるお働きにご注目ください。
Circle of Life
一曲目に続いて「生命の輪」のテーマが現れます。「すべての生命はつながっており、命は親から子への伝承だ」と、そして「自然と共生する喜びと神聖さ」を描きます。
Be Prepared
王子シンバの誕生を快く思っていない国王の弟スカーのハイエナたちを扇動し、王位を奪おうとする陰謀と野望を描いています。スカー役のソリストのダークな魅力をお聞きください。
I Just Canʼt Wait to Be King(instrumental)
シンバの子どもらしい無邪気さと自由への憧れ、そして純粋でエネルギッシュな夢を描く楽しい楽曲を井上なおみさん・鈴木愛子さんのピアノの連弾と打楽器アンサンブルで演奏します。
Shadowland
スカーの陰謀により国王ムファサは倒れ、シンバは混乱に紛れて行方知らず。平和だったプライド・ランドはすっかり荒廃・・。シンバの幼馴染(のちにシンバと結ばれる)ナラは、故郷との別れを悲痛なバラードで歌い上げます。ミュージカル版のオリジナル楽曲です。
Can You Feel the Love Tonight
お互いに大きく成長したシンバとナラが再会し恋に落ち、ロマンティックな愛の美しさを歌い上げる心温まるデュエット。エルトン・ジョンのオリジナルに沿って編曲しました。
Battle for Pride Rock(instrumental)
シンバがスカーに立ち向かい、王国を取り戻す壮絶な戦闘シーン。宮本妥子さんには「原曲の枠を超え、宮本さんの素晴らしい感性によって演奏を」とお願いしました。打楽器アンサンブルの魅力を余すことなくご披露くださいます。
King of Pride Rock
国王ムファサの天の声に導かれてシンバが帰還。シンバを王として迎えプライド・ランドの復興を喜ぶ感動的なフィナーレ。「Circle of Life」の旋律が再び表れ、生命の輪が次の世代へと続くことが示され、幕を閉じます。
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