Que tout l'enfer fuie au son de notre voix...
男声合唱組曲「雪と花火」は昭和 32 年作曲、多田武彦氏3作目の作品で、同年 6 月に同志社大学グリークラブにより初演されました。詩の題材として大正 2 年発表の、北原白秋 3 作目の詩集「東京景物詩及其他」から 4 篇の詩が取上げられています。「東京景物詩及其他」は大正 5 年、第 3 版刊行の際に新に詩 1 章 12 編が追加され「雪と花火」と改題されました。
官能的象徴詩としての作風を確立していた彼は、近代都市として急激に変貌しつつある明治 40 年代の東京の情景を軽やかに歌いつつ、隣家の人妻「俊子」との道ならぬ恋に苦悩する姿を赤裸々に歌っています。まさに、芸術の自由と享楽の権利を謳歌した作品群が収められていると言えます。
作曲者が歌集の中から選んだ詩文詳細につきましては、ここでは割愛させて頂きますが、少し詩と曲から感じられる感想について記述してみたいと思います。
参考文献
「北原白秋」 三木 卓 著筑摩書房
「白秋全集」岩波書店
「日本の詩歌・北原白秋」中央公論社
Web
Wikipedia (北原白秋)
北原白秋記念館 ほか
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